金価格の上昇はなぜ続く

金価格上昇の背景とは

史上最高値の更新を続ける金価格は今年4月、1トロイオンス1500ドルの大台を突破した。不安定な状況が続く世界経済の中で“安全資産”を求める投資家のゴールド人気は高まる一方だ。なぜ金は強いのか?その背景には「今の相場は4つのキーワードで読み解くことができる」。金価格はCFDだけではなく、FXにも大いに関係してくるので注目したいところだ。

 

金価格上昇の構図

 

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有事の金

今、市場は"有事"の感覚に包まれています。チュニジアのジャスミン革命に始まり、エジプトの政権崩壊につながった民主化運動は、北アフリカ・中東に広がり、リビアでは内戦が勃発しました。また、日本では福島第一原発事故がチェルノブイリと同じレベル7に拡大。これらの地政学的リスクの高まりが、世界経済の先行き不透明感に拍車をかけています。

 

実物資産の金は、戦争・災害時に強いとされ、昔から「有事の金」と呼ばれてきました。こうした金の独自価値が、市場で買い材料になっています。

インフレ

日本ではデフレが問題になっていますが、世界的にはインフレトレントです。中東情勢の不安定化に伴って原油価格が上昇。さらに、旺盛な新興国需要によって穀物など資源全般が高騰し、新興国を中心にコストプッシュ型インフレが目立っています。

 

一方、先進国では、リーマンショック後の流動性危機に対する金融政策で、各国中央銀行が市場に大量の資金を供給しました。巨額の通貨供給は通貨価値を希薄化させ、マネー型インフレのリスクを招きます。今は、水平線のあたりに積乱雲が見えるという状況ですが、徐々に現実味をおびてきています。

全面通貨安

金価格1500ドル突破の決め手になったのは、格付け会社による「安定的」から「ネガティブ」への米国債格付け見通し引き下げでした。米国の財政赤字は従前からの課題ですが、今年は予算審議が難航して、政府閉鎖「ガバメントーシャットダウン」寸前まで追い込まれました。

 

これは回避されるでしょうが、見通し引き下げは、市場のドル不安をかき立てる結果となり、ドルが急落、金が急騰しました。昨年までは、この状況を「ドルの代替通貨としての金買い」と説明してきました。しかし、今年は、ユーロ不安も重なっています。ドル、ユーロ、さらに日本の円と、三極通貨が"弱さ比びに陥る中で、かつて通貨を裏付けていた金を買うという流れになっています。私はこの状況を「通貨の原点回帰」と呼んでいます。

 

金ETFのマーケットにも資金の流入が続いている

 

ETFイメージ

 

ソブリンリスク

各国政府機関が発行する債券(ソブリン)に対する不信も金の上げ材料です。特に、ギリシヤ、ポルトガルなど欧州周辺諸国の国債は危機的状況です。米国債の見通しも赤信号。日本国債も「大丈夫なのか」という質問を、私はセミナー会場で頻繁に受けるようになりました。国債への不安の結果として、金へのシフトが起きています。「発行体のない通貨」とも言われるように、金には破綻懸念、信用リスクがありませんから。

 

金価格上昇の理由は、根本をたどると、これら四つの不安・不信に行き着きます。これらの問題は構造的で、一朝一タに解決するものではありません。さらに、四つの問題が、複合的に絡み合い、日替わりメニューのように登場するので持続性があります。かなりの規模で調整売りが入っても新たな買い材料が浮上し、さらに金価格を引き上げるという状況が続いているのです。金は、今年いっぱいくらい、高値圏を維持するのではないでしょうか。

 

欧米株安の流れもあり、利食い優勢の相場展開になりそうだ。ドイツ連邦議会で欧州金融安定化基金の機能拡充についての法案採決が予定されているため、様子見ムードが強まりそうである。NY原油先物相場が大幅に下げていることもあり、昨日強い動きが目立っていた素材株は上げ一服といったところか。